エスケタミン

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麻酔薬が主成分のエスケタミンがうつ病治療として承認!

 

 

麻酔薬が主成分のエスケタミンがうつ病治療として承認!

 

新薬「エスケタミン」の主成分は「ケタミン(S型)」。国内で率先してうつ病治療におけるケタミンの効果を研究する千葉大学の橋本謙二教授は「従来のうつ病治療薬には見られなかった劇的な効果がケタミンにある」と指摘。

 

 ケタミンは1970年代に麻酔薬として認可。その後、幻覚や妄想などの副作用からパーティードラッグとして乱用され、日本では2007年、麻薬及び向精神薬取締法の麻薬に指定。特定の症例にのみ使われてきた。

 

 

「一方で、米国でケタミン乱用が大きな社会問題になった時期、ケタミンに抗うつ作用があるのではないかとの指摘もあったのです。00年、米エール大学がケタミンに抗うつ作用があることを発表。同様の続報があり、注目が高まりました」

 

 

副作用

幻覚や妄想などの副作用がある点だ。そのため、FDA認可のエスケタミンは「限られた医療機関でのみ処方」「必ず医師の目の前で投与。自宅への持ち帰りは禁止」などの規制がある。
ただし、ケタミンの「R型」は、先に承認された「S型」と異なり、副作用が少ない可能性があるとされています。

 

 

 

 ケタミンはそもそもR型とS型が1対1で存在する。ケタミンの抗うつ作用について、はっきりとした作用機序はまだ分かっていないが、「NMDA受容体に働きかけるため」と考えられ、NMDA受容体により強く作用するS型の方が抗うつ作用に優れているとされてきた。ケタミンに続けとばかりに多くの製薬企業がケタミン以外のNMDA受容体に作用する物質を開発。抗うつ作用の臨床試験を行ってきた。

 

「ところがすべての新規化合物が失敗。ということは、ケタミンが持つ、NMDA受容体への作用以外の“何か”が抗うつ作用をもたらしていると考えられる。そこで、NMDA受容体への作用が弱い、言い換えれば、それ以外の“何か”を持っているR型の研究を始めたのです」

 

 当初は“S型派”が優勢だったが、16年、米メリーランド大学や米国衛生研究所(NIH)の研究者が世界的権威の医学誌「ネイチャー」に、橋本教授の主張を裏付ける論文を発表。現在は、R型への抗うつ作用への期待が高まるばかりだ。なお、S型ケタミンの第3相臨床試験では、全5本のうち2本しか偽薬に対し優位性を示せなかった。この結果から「S型ケタミンにも抗うつ作用があるが、ケタミンの抗うつ作用を主に担っているのはR型では」と、橋本教授は考えている。

 

「ケタミンの副作用は、NMDA受容体が関与していると推測されている。NMDA受容体への作用が弱いR型を抗うつ薬の主成分とすれば、副作用も見られない可能性が高い」